12/17に開催されたMashup Awards 2016。
つ い に 最 優 秀 賞 い た だ き ま し た !!!
さすがにこれは嬉しい。ウェーイ!
100万円の巨大な目録を持ってJRで帰宅するのは得難いスリリングな経験でした。
https://www.facebook.com/qurihara/posts/1216648421748946
翌日、どっと気が抜けて、昨今の疲れで寝込んでしまい、感想書くのがおそくなりました。
翌日、どっと気が抜けて、昨今の疲れで寝込んでしまい、感想書くのがおそくなりました。
以下、壮大な自分語りですが、まあいいですよね。今回は。
当日の様子とかは、私が寝込んでいる間に湯村さんがすばらしくレポートしてくださっているのでご参照ください。
特にこの会場の「円形ステージ」はすごく刺激的で、すごく新鮮でした。
次々に登壇する凄腕プレゼンターを目の当たりして、なるほどこれは異種格闘技戦だと感じました。
特にギャル電がすごかったです。
私は今年、3件の応募をしました。
1年の後半は仕事が忙しいので、年初から少しずつ夏にかけて手がけたものです。
今年の私の挑戦テーマは、MAの苦手な審査基準である「デザイン」に対するハックでした。
”どこまで「デザイン」をミニマルにできるか。「借景」をモチーフに挑みます!”
"MashupAwardsの審査基準は、アイデア(独自性、新規性、優れた着眼点、発展可能性)、完成度(実用性、ユーザビリティ、エンタテインメント性)、デザイン(芸術性、優れた表現技法)です。"
私の作品はものすごくアイディア偏重であり、実装の加減によりコンパクトな完成度の高さをなんとか実現し、プレゼンで押し切る、というのが常套手段なのですが、さすがに決勝戦となると、プロデザイナーが完成度とデザインに徹底的なチューニングをかけてくるチームがごろごろ出てくるので、デザイナーがチームメンバーにいない私にとって、デザイン問題はもはや死活問題でした。
(1)自前グラフィックデザインを切り詰めて最小化する。
(2)そもそも既存コンテンツの組み合わせこそが本質であるような作品にすることにより視覚的な美的センスを補う。
(3)グラフィックデザイン以外のデザインの世界観を新しく提示し強調する。
3つの作品について、上記のような戦略を駆使して挑みました。
特に、今回何かと話題に出していただいた「2FF:とても速く見られるYouTubeプレイヤー」については、野心的にもグラフィックデザインの大本営(と勝手に私が思っている)である「インタラクティブデザイン部門」に応募しました。
それはこの部門の募集要項に、
"課題解決よりも、作品に触れた人の心を揺さぶり、クリエイティビティを触発する、アートとテクノロジーが高い次元で融合された「体験」を提示する作品を募集します。PCやスマートフォンなどのディスプレイを中心としたソフトウェア的な表現に留まらず、独自に開発したハードウェアを用いた表現や、体験する人の五感を刺激することで行動を誘発し、様々な感覚や感情を抱かせる「身体性」を伴った作品、また、社会の「課題」を発見し、問題提起するような作品を歓迎します。"
とあったからです。
問題提起するような作品!!!
日頃「物議を醸すシステム開発を得意とする」を標榜している私にとって、これは挑戦に値すると思いました。
ありがたいことにインタラクティブデザイン部門のファイナリストに選出していただき、「時間のデザインという全く新しいデザインの課題に挑んでいる」とご講評いただきました。事務局のまなみんさんにも個人的にお引き立ていただき、「まなみん賞」を受賞しました。(商品:スマホの黒電話受話器、レッドブル、リポビタンD、まなみんさん著書の詰め合わせ)
つまり何が言いたいかというと、「オシャレグラフィックデザインができなくてもMAは戦えたよ!」ということです。これで勇気づけられる方がいらっしゃれば幸いです。
さて、デザインに対する挑戦とは別に、今年のもう一つの挑戦は「セカンドステージ」でした。常連の方や事務局の方が口々におっしゃるのは、「セカンドステージが一番盛り上がる」ということ。確かにその通りでした。圧巻のプレゼンバトルは大変疲労困憊しましたが、あの雰囲気を体験できたのは今年の大きな収穫です。
さらにもう一つの挑戦、「映像と気軽にmashupできることをどう示すか」についても語らせてください。
セカンドステージにおいて、私は大変幸運でした。というのも発表順が一番最後ということでなかなか気分的には安らげなかったのですが、次々に発表者がPPAPネタを仕込んでくるのを目の当たりにして、もうこれはトリとしてwebmoを用いたPPAP mashupを即席でやる以外ありえないという天啓だ、と奮い立ちました。
そしてファイナルステージです。無線ネットワークが安定せず、ファイナリストの皆さんだいぶ苦労しましたよね。
私もwifiを用いるwebmoはもうダメだと諦め、何か別の形で映像とのmashupを表現できないかと頭をフル回転し、会場内をうろつきながら使えそうなモノをなんでもいいから探していました。
そこで椅子を即席のクリッカーにすることを思いつき、円形ステージのプレゼンの演出と組み合わせて実施してみました。(もう一つ、おもむろに靴を脱ぐと靴がクリッカーになっていて「クツリッカーです」っていうのも考えて、最後までどっちにするか悩みました。)
審査員の久下さんには「一人MashupAwardsですね」と大変うれしいご講評をいただきましたが、そうです、私、決勝当日もMashupしてたんです〜!!と心では思ってました。
久下さんだけでなく、審査員の皆様には本当に示唆に富むご講評をいただきました。すべてご紹介したいのですが、まずはもうお一方だけ。私がぎょっとしたのは、藤川真一さんのご講評です。
あの5分の私のプレゼンで、私がsrt.jsに込めている思いと哲学をここまで推理、展開されてしまうのか!と衝撃をうけました。
そうなんです。srt.jsっていうのは、言ってみればAdobe Flash的な世界観の現代的な焼き直しなんですよね。今は下火になっている「タイムラインにそってプログラムを記述する」というスタイルは、IoT的な流行と、受動的なコンテンツが市民権をもってきた現代において、もう一度考えるに値するパラダイムだと思うんです。
(くわしくは http://www.unryu.org/home/srtjs の「歴史的経緯」のところに書いています)
それを一瞬で看破され、評価していただきました。大変恐れ入りました。
さて、実は今回のMashupAwards, 個人的にはもう一つの戦いがあったのです。
それはCIVICTECH部門優勝の「ディスレクシアの人のための字幕読み上げ機能付きYouTubeプレイヤー」の應武さん(ウチの大学院生)との師弟対決です!
昨年は「コミュ障のためのメガネ」の萩原さんと師弟対決ニアミスだったねと笑って流していたのですが、こんなにも早くその日が来てしまうとは。彼女のプレゼンはとても落ち着いていて、質疑もしっかりしており、とても誇らしく思いました。
「よしオレもやってやるぜ!」というような励みになりました。
その結果、情け容赦なく弟子をねじふせての優勝となりました。大人気なくてすみません。まあ、手を抜くようなものでもないですよね。こういうのって・・・
(私が彼女に負けたらそれはそれで、私はとても嬉しかっただろうなと思います。)
ちなみにもう1件、ロボットとともに登壇することで発表者を助けるプレゼンシステムで、また別の院生の橋本さんが「HOYAサービス賞」を受賞されました。おめでとうございます。
これからも学生にはどんどんMashup Awardsに出すようpushしていこうと思います。
とりとめもないのですが、書きたいことが多すぎてまとめることが困難です。全部書きつくすよりは、書いたところから公開しようと思い、まずこのへんでやめておきます。
おまけ:
今年の懇親会では、個人が賞を授与できるということで、「消極性デザイン賞」を創設し、「SHY」というストレートな名前の学生グループの作品にお送りしました。賞品はもちろん、「消極性デザイン宣言」です!
リンク:
昨年MAについての私の感想はこちらです: https://www.facebook.com/qurihara/posts/917608148319643
2FFで高速鑑賞するファイナルバトル動画: